越前箪笥(えちぜんたんす)は、福井県越前市や鯖江市周辺で作られる、ケヤキやキリなどの材木を鉄製金具や漆塗りで装飾している箪笥です。
耐久性に優れ、硬くて木目が美しいケヤキと、湿気を通さず、割れや狂いが少ないために高級箪笥の材料として重宝されてきたキリを主に使用しています。
ケヤキやキリを自然乾燥させ、釘などを使わず木材を組み合わせて、強度を高める指物技法(さしものぎほう)で枠組み箪笥を作ります。箪笥には天然の漆を使っており、使い込むほどに味わい深い風合いとどっしりとした重厚感があることが特徴です。
現在の福井県から山形県の一部にまたがる地域に、7世紀頃に「越国(こしのくに)」と呼ばれる地域がありました。その頃の越国は漆で有名な石川県の能登や加賀も含まれ、現在の越前市のあたりは国府(こくふ:その地域の政治的中心地)であったため、さまざまな文化や技術が集まりました。
室町・戦国時代には朝倉家の府中奉行所が置かれ、指物師と呼ばれる人たちが朝倉家の茶道具を作り、指物文化が花開いていきました。
江戸時代には藩主となった本田富正公が町の整備を進め様々な技術者を集めたため、指物・漆・金具が特徴である越前箪笥が栄える下地が出来たのです。明治中期頃には本格的な箪笥職人が活躍しました。
今も越前市にはタンス町通りがあり、建具商や家具屋が建ち並びます。
◇Kirariでお取り扱いしている 越前箪笥 ◇
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